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たとえばアメリカ人男性と結婚してアメリカに住んでいる女性や、アメリカの大学に留学してそのままアメリカで就職した人がその典型でしょう。
当然ながら母国語は日本語です。
ですが、彼・彼女たちの多くは、アメリカ的な価値観や文化・慣習に親しみ、それを自分の中に採り入れてきた人たちです。
どちらの人たちも、外見は日本人です。
その外見から、しばしば駐在員が錯覚して、「扱い勝手のいい部下」だと思ってしまう。
つまり、西洋系の顔つきをしたアメリカ人に対しては遠慮して頼まないような種類の仕事や残業を、一部の駐在員はさも当然のように日系の社員に押しつけてしまうのです。
これには「日本語で指示できるから楽だ」という側面があるのかもしれません。
さらに、その一部駐在員の中でもごくごく少数の社員ですが、西洋系アメリカ人には気をつかうくせに、その反動からか、日系の人たちに過剰なほど威張りちらす人までいます。
ただでさえ日系の現地社員には、駐在員との給与格差に対する不満があるのです。
それに加えて、駐在員からのこうした扱いや態度がたび重なると、前者の日系現地社員はアメリカ人が感じるのと同じくらい大きな屈辱を感じ、後者の人は自分に対する差別的言動として受け取ることでしょう。
そうした社員の中に、駐在員の言動をその都度記録に取っておく人が出てくるのです。
アメリカ人には必ず一人や二人、弁護士の友人や知人がいると思ってください。
日系の人たちだって同じです。
弁護士はこうした精神的苦痛に関する相談を受ければ、喜んでいろんな知恵を授けるでしょう。
そして、先のG社の事例のように、何年もつけ続けた記録をもとに訴訟に踏み切る……。
在米日系企業でのセクハラ訴訟も、じつは日系の女性社員が起こしたものや、原告の中に日系女性が数多く含まれているケースが多いのです。
これもまた、「扱いやすい日本人女性」との錯覚に起因したものではないでしょうか。
繰り返しますが、アメリカ人と同じ感性を持った、あるいは同様の価値観に慣れ親しんだ日系現地社員に対して、軽率な言動を行わないようくれぐれも注意してください。
というより、駐在員の方やこれから駐在員になる予定の方は、どの現地社員に対しても平等・公平に接すること。
これが何よりの基本です。
内容もさることながら、法律の背景と精神を知るここまでずいぶんイヤなことを書いてきましたが、これらは日本企業に対して注意を促すための呼びかけであって、けっして脅しなどではありません。
というより、脅しであってはいけない、と考えています。
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